ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
『獅子谷くん!』

今日の高野さんは、顔色も良く元気そうだ。

「こんにちは。高野さん。」

『今日、バレンタインだね!』

「そうだね。はい、これ。」

『ありがとう…え、これってー。』

「ひまわりのドライフラワー。」

『めっちゃかわいい!!でも、なんで花束?』

「バレンタインに女子からチョコレートを渡すのは日本くらいだよ。アメリカでは、男子から女子に花束を渡すんだって。」

『そうなの?!知らなかった。』

「優真くんが教えてくれたんだよ。」

『そっか、お兄ちゃんが…。』

「違いは他にもあって、日本だと友チョコとか、いろんな人にチョコレートをあげるけど、アメリカでは本名にしか渡さないんだって。」

『そうなんだ…。』

高野さんの耳が少し赤くなった。

「高野さん、耳赤いー。」

『獅子谷くん…その、つまりこの花束は…本命ってこと?』 

「…ただ、渡したいって思ったんだ。」

『…え。』

「檜山さんに聞かれたことがあるんだ。高野さんのこと好きなの?ってー。」

『六花、なんてこと聞いてるの…。』

「高野さんのこと、はじめは鬱陶しいなって思ってた。でも、今はそんなこと思ってなくて…むしろ、感謝でいっぱいで…。」



『…うん。』



「いなくなって欲しくない。」
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