オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない


 わざと冷たくツンと言ったのに、即答されてしまう。それも自信満々に。


 分かっているくせに、雅紀はずるい。私に言わせようとしてくるのだから。そんな誘導に乗ってしまう私も単純なのかもしれない。



「……だめ」


「あっそ、なら鳩原が戻ってくる前に頑張って抑えろよ」



 けして離そうとはせず、むしろ手加減なしで指を絡めてくる。

私はその後も手に伝わる刺激に耐えながら、必死に平然を装っていた。

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