オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
今の話を参考にさせてもらって、私もケーキ作ってみる?
ケーキを作るのは初めてだけど、料理は嫌いではないからそんなに酷いものにはならないはず。材料さえ買えば、あとは調べながらできるだろう。
前日の夜作って、イブの日仕事が終わったら渡す――、少し大変だけどそれなら用意できるかもしれない。
物にするのは迷うし、すぐ決められないだろうから……。
それに、雅紀の欲しいものってなんだろう。私はチラリと雅紀のいる方をパソコン越しに見てみる。
「へぇー、愛されてるんですね」
「そうなんだよ! お前は彼女とラブラブするんだろ?」
雅紀はものすごく棒読みなのに、上司はそんなこと全く気にしていない様子で話している。
そしてその返事、私もすごく気になる。
普通カップルなら、先月くらいから誘っておいてくれてもいいと思わない? なのに、そんな気配全くないままここまで来てしまった。