オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない


 いい加減、誘ってくれてもいいのに全く何も言わないのだから……。


 私だって期待してずっと前から予定をあけているけれど、自分からクリスマス一緒に過ごそうと誘うのは、結構な勇気がいる。だから待っていたのに――。



「はぁ……そんな相手俺にはいないので。クリスマスは帰ってひとりで飲む予定です」



 そもそも、一緒に過ごすという考えが雅紀にはなかったらしい。


 ひとりで飲むなんて、私を誘うという考えはないのだろうか。


 周りに隠して欲しいと言ったのは私だけど、一緒に過ごしたくない訳ではないのに。


 プライベートならふたりきりだし、バレることもない。


 仕事終わりの飲みに、三人では行ったりはするのに、ふたりでデートはまだ誘われたことがない。

 告白されたのだって、ムードも欠けらもない、休憩室で昼休みに会った時だったから。


 他の人が出ていって、たまたまふたりきりになった時突然言われたのだ。



「俺、お前のこと好きだわ……俺のモノになって?」


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