オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
元々、雅紀のことは嫌いではなかったし、気が合うから一緒にいて楽しかった。
だから私も“はい”と返事をしてしまった。
だって、こんな告白の仕方――。照れているのに、言葉は強気なんて、思わずキュンとしてしまう。
だから、どうして雅紀が私のことを選んでくれたのか詳しくはまだ知らない。
でも、私は告白を受けいれたことを後悔なんてしていなかった。
私だって、雅紀のことを好きになっていたから。
こんなに好きだと思っているのは私だけなのかと寂しくなる。
いつも変なところでちょっかいかけて来るくせに、こういうところでは誘ってこないんだから……。
「またまた〜そんなこと言って! そんな寂しい夜を過ごすくらいなら、あの子誘ってみろよ。今彼氏いないらしいぞ?」
「へぇ、そうなんっすね」
「あぁ、だから狙うなら今のうちだぞ。きっとすぐ相手が決まってしまうだろうからな」
そう言って上司がこっそり指さした先にいたのは、可愛いあの子だった。