オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
そんなマイナスな考えが頭をよぎる。
きっと茉依なら、あの場に出ていけたんだろうな……。そう思っていたら、ちょうど目の前から茉依が歩いてきた。
時間的にも、仕事が終わり帰るところなのだろう。
「あれ? 瑠花どうしたの?」
「なんでもない……」
「なんでもないって顔じゃないけど」
誤魔化そうと思ったけれど、無理だったらしい。そのまま会社の外に連れ出されてしまった。
居酒屋にいく空気でもないので、ゆっくり話せるカフェに連れていかれる。
「それで? 何があったの?」
茉依の心配は伝わってくるし、相談もしたい。
だけどそのためには、私と雅紀が付き合っていることから言わなくてはいけない。
だけどこのままひとりで抱え込むのは無理だと思った。どこから話そう……。
いきなり実は付き合ってます――でもいいかな?
「あのね、茉依――」
私は深呼吸をしてから、茉依に付き合っていることを打ち明けた。
「うん、気づいてたよ。やっと言ってくれたね?」