オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
第3章 独り占めオオカミ
あれから結局、雅紀がなんて返事をしたのか怖くて聞くことができなかった。
顔を合わせても、なんだか気まずくて上手く話せない私は、ここ数日雅紀から逃げまくっていた。
不審に思った雅紀からメッセージが来たけど、なんでもないと素っ気なく返しただけ。
イブを一緒に過ごそうとも誘われなかったので、私はふられて雅紀はあの子のもとに行ってしまうのかと考えてしまう。
そんなモヤモヤした感情が私に付きまとっていた。
「はぁ……これどうしよう」
綺麗にラッピングされた箱を目の前に、ため息をつく。
誘われていなくても茉依に話してしまったし、もし少しでも私に勝ち目があるなら諦めたくないと思って、昨日の夜作ったケーキだ。
プレゼントは間に合わなかったけれど、これだけでも――と思い作った。
だけど、イブになった今日、結局一緒に過ごすことも誘われず、ふられることもなかった私はどうしようか迷っていた。
「渡してもいいのかな……」