オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
今から会いに行こうとしていたのに、いざ向こうから来られると、戸惑ってしまう。
「はい……」
「寒い……早く開けてくれ」
私は戸惑いながらも恐る恐るロックを解除し、家のドアを開けた。
「どうしたの? いきなり」
雅紀は何を言っているんだとでも言うような顔で私を見てくる。
あれ? もしかして、私が忘れているだけで約束していた?
でも、こんな貴重なこと忘れるはずがない。
「別にいいだろ? それより寒い。こっち来いよ」
家主の私を差し置いて、ズカズカと部屋に入り小さなコタツに入った。
そして、私を呼び後ろから抱きしめるような感じで座らせた。
引っ張られて一瞬だったけれど、何が起こったの?
一緒にコタツに入っているのはいいけれど、何故ここに? 私は後ろからギュッと抱きしめられて身体が固まっている。
「はぁ……あったけぇ」
その息が耳にかかり、背中にゾクゾクした感覚が走る。
感じる甘い感覚に声が出そうになるのを抑える。