オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
「あれ? お前耳まで真っ赤だけど大丈夫か? 具合悪い?」
「……っ誰のせいだと――」
そして、余計に近くなるのやめて欲しい。それよりも私はどうして今日来たのかを聞きたいのだから。
「ねぇ、なんで来たの?」
「なんでって……、お前今日なんの日か忘れたのか?」
当たり前のようにそう言ってくる。
ここ最近の話題なのだから、知らないはずがないのに。私が言ってるのはそういうことじゃない。
来てくれて嬉しいと思っているはずなのに、可愛げもなく強がってしまう。
「あの子と過ごさなくていいの?」
私の言葉に、今度は雅紀が固まった。
「お、お前……あの時の聞いてたのか!?」
私は告白だとは言ってないのに、雅紀にはなんのことか分かったみたいだった。
その反応は、告白されたと暴露しているようなものだ。
そんなに焦らなくてもいいのに……。慌てるということは、聞かれたくなかったということ。