オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない



「あれ? お前耳まで真っ赤だけど大丈夫か? 具合悪い?」


「……っ誰のせいだと――」



 そして、余計に近くなるのやめて欲しい。それよりも私はどうして今日来たのかを聞きたいのだから。



「ねぇ、なんで来たの?」


「なんでって……、お前今日なんの日か忘れたのか?」



 当たり前のようにそう言ってくる。

 ここ最近の話題なのだから、知らないはずがないのに。私が言ってるのはそういうことじゃない。


 来てくれて嬉しいと思っているはずなのに、可愛げもなく強がってしまう。



「あの子と過ごさなくていいの?」



 私の言葉に、今度は雅紀が固まった。



「お、お前……あの時の聞いてたのか!?」



 私は告白だとは言ってないのに、雅紀にはなんのことか分かったみたいだった。

 その反応は、告白されたと暴露しているようなものだ。


 そんなに焦らなくてもいいのに……。慌てるということは、聞かれたくなかったということ。

< 27 / 32 >

この作品をシェア

pagetop