オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
茉依は、思い出しただけでもイライラしてくると感情を爆発させていた。
それなら尚更、私に実は彼氏がいてクリスマスの予定が入るかもなんて言えるはずがない。
それなのに、タイミングが良いのか悪いのかちょうど雅紀がその場を通りかかった。
「なんだ? 鳩原荒れてんな」
「あっ、夏目! いい所に、聞いてくれる〜?」
職場だと言うことも忘れて、愚痴を始めそうになる茉依。
私たち同期三人は仲が良くて距離も結構近い。仕事終わりに飲みに行ったりもする。
だからこそ、話しやすいのかもしれない。
それなのに、私たち二人が付き合っていますなんて、このタイミングじゃやっぱり言えない。
そんな私の考えを知ってか知らずか、雅紀も普段はただの同期として接してくる。
「ちょっと待て、まだ仕事中だから。その話は今夜聞いてやるから今は待て! な、美園?」
「う、うん」
いきなり私に話を振られて、変な返事をしてしまった。