オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない


 男にだけ愛想良く、猫かぶっているのだとしたら女性の敵は多いのだろうけれど、そんなことは無かった。


 彼女は私たち女性社員の間でも人気者だ。


 キラキラと輝いている彼女を見た茉依は、ため息をついてさらに落ち込んでしまった。


 このエントランスにいると、帰っていく人の噂話が全て聞こえてくる。


 クリスマスというイベントが近いからか、話題は浮ついたものばかりだった。もちろん、彼女だけではなく雅紀の噂もある。


 彼女がいるのかとか、きっと美人な高嶺の花みたいな人だとか……。


 聞いているだけで、雅紀はどうして私を選んでくれたのだろうと思ってしまう内容だった。


 私は平凡で、そこまで可愛くも美人でもない。彼女みたいに可愛かったら少しは自信が持てたのかな?



「はぁ……」


「はぁ……」



 自信をなくしてため息をついたとき、隣にいる茉依も何度目か分からないため息をついていた。

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