オオカミな同僚は溺愛したくて堪らない
隣にいる雅紀がちょっと気になるけれど、今日は茉依のために来たのだ。
思う存分愚痴を聞いてあげよう。
雅紀は案内してくれた店員さんに、ビール3つと頼んで適当なおつまみも注文していた。
さらりとこういう気遣いができるのがすごいと思う。
ただのイケメンではきっと好きになんてならなかった。気が合うのはもちろん、こういうところも好きになった要因なのかもしれない。
「もういい? いいよね?」
茉依はそう言って、ビールが届く前に今回の経緯を話し始めた。
お酒が入っていないのに、茉依の情緒はとても不安定だ。話しながら泣き始めてしまった。
どうやら、彼氏が女の人を連れてホテルに入っていくところを見てしまったらしい。それはさすがに許せないと私も思う。
「もうあんなやつ知らないんだから……」
届いたビールを一気飲みしてからも、茉依はひたすら愚痴を言っていた。
そんな時、横から雅紀がチョンチョンと私の腕を机の下で触ってきた。