リスキーな恋
 しかし、大丈夫じゃなかった。
 
 数日後、事務所が大変な騒ぎになったらしい。
 週刊誌に、載った。
『人気モデル、一般女性とデート。』
写真もばっちりキスしているところを撮られていた。
私は一般女性のため、顔はモザイクになっていた。
しかし、見る人が見ればわかる。

父と母が慌てて、私に聞いてきた。
「これ、椿だよね?どういうこと?ここアメリカ?」
パニックになっていた。

塁と相談し、事実を話すことにした。
「実は、俺、椿を付き合ってます。」
「世間体を気にして隠して来ました。でも、この際、はっきり言った方がいいと思って。」
「確かに、あなたたちは血は繋がってないけど。」
「うーん。世間体が。」
「お母さん、ごめんなさい。でも、本気なの。」

沈黙。

母が口を開いた。
「まあ、いいんじゃない?」
「これから、どうなるかわからないけど、あなたたちの絆は切れそうもないことぐらいわかる。」
「塁、椿のこと守れる?」
「もちろんです。何があっても、守ります。」
「わかりました。」
父は、何も言わず、微笑んでくれた。
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