ワンコ社長は小さな秘書を手放せない



「くっ……! 僕を悶え殺す気か!?」



 次の瞬間、私は抱き上げられて寝室のベッドに運ばれた。


 自分から望んだことだけれど、いざとなると恥ずかしくなってくる。それでも私は、今日を逃したくない。


 ポスッと柔らかいベッドの上におろされると、柊は私に覆い被さってくる。

 いつものふざけている感じでも、仕事の顔でもなく少し余裕のない表情をしていた。



「誘ってきたのは美桜ちゃんだからね? もう止められないよ?」


「分かってます……社長のこと大好きですから。私も社長が欲しいんです」



 私がしっかり目を見て言うと、柊は甘い吐息をはいた。



「まったく……ごめん、手加減できないかも」



 そう言ってから、私に噛み付くようなキスをしてきた。

 息が苦しくなり空気を吸おうとく少し口を開くと、その隙を逃さないと言わんばかりに舌がねじ込まれてくる。



「ふっ……んっ……しゃ、社長……まっ」


「待たないよ。それに社長じゃない、名前知ってるでしょ?」

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