ワンコ社長は小さな秘書を手放せない
柊のことだから、絶対になにかするだろうし、私も一緒にいたい。
そう思って予定をわざと空けていた。もちろん、それを柊に知られたら舞い上がって喜ぶところが想像できるから、絶対に言うつもりはないけれど。
「なんだ、分かっていたの? ふふっ楽しみね」
先輩が何をするのかしらねと楽しそうに話してくる。
前もって言うということは、遠出をするか、デートに行くのか……それにもしかしたら――。
当日のことを想像すると、私はさらに恥ずかしくなってしまうのだった。