パン職人の店長を、好きになりました。

パン職人の店長を、好きになりました。

　駅から歩き少しだけ奥の住宅街に、古民家を改装したこじんまりとした店がある。その店の前には【ベーカリー　いおり】と書かれている看板と二人用のベンチが置いてあり、お客さんは常連客から新規のお客様まで様々だ。

　天然酵母でじっくりと時間をかけて発酵させているからもちもち、ずっしりとしていて食べ応えのあるパンばかり。

　店内に入ると洋菓子店のようなショーケースが目につく。ショーケースの上には食パンやカンパーニュなどが並び、ショーケースに中にはレギュラーのパンとともに本日のパンが並べられている。


「いらっしゃいませ」


　出迎えてくれるのは、このお店の店長とバイト店員の女の子。


　─︎─︎これは、パン屋さんで起きたそんな二人の物語。