僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「あー、でも、再来週からは祐ちゃんが出張だねぇ」
「うん、今回は一か月かかるかなぁ。時々は帰ってくるけど」
就職難だったのにも関わらず、俺たちは何とかそれぞれの希望内に就職することができた。
俺は大学を卒業してから、一年だけ専攻に通って「舞台監督」になるために勉強して、バイト時代より少し大きな会社に入社できた。
今はまだ一年も経っていないし、見習いの見習い。
ほのはめでたく栄養士の資格を取って、区内の保健センターで働いている。
主に管理栄養士としてのアドバイザーが中心の仕事で、残業なし、土日出勤もなしの羨ましい仕事。
”思ったより大変なんだよ”っていうけど、俺にしたら安定している職業に変わりない。
「一ヶ月の間、トータル一週間くらい帰ってこれるかなぁ?」
「ぐぇ、そんなに会えないなんて、死ぬかも私」
「ほの、女の子がぐえとか言わないの」
「だって、本音だもーん」
ジャガイモ剝きながら子供みたいに言い返す彼女。
「近くに来た時は帰るよ。」
「うん!是非ともそうして」
可愛いけどさ、ぐぇってないよな穂香。
まあでも、俺だって人のこと言えないけど。
”女らしい言葉使えよ”
ハルに良くいわれたな。
ハル……どうしてるだろうな?
――――元気にしてるかな