僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「ここに残ってるってことは、通し券買ったんだね」
「うん、今回のと、違う会場の通し券買ったんだ」
「凄いね、倍率高いのに」
「うん、何とかね」
夜の廃れた公園で、当たり障りのない話をして過ごす。
大学のこととか、専攻のこととか、仕事のこととか。
俺の今の仕事を見たケイは、「やっぱね」といった。
「祐ちゃん、いつも行事になると張り切ってたもんね」
うん、そうなんだ。
いつもイベントが楽しくて、中学生時代はその準備に精魂使い果たしていた。
「吉田とかみんな元気?」
「あ、うーんと・・・わかんないな、噂では佐藤迷彩と塚本俊が子供が出来て、でき婚?授かり婚したらしいけど」
噂っていうか、Facebookで知ったんだけど。
「会ってないの?」
「うん、あのまま、ぱったり」
別にケイを責めているつもりはないのに、言い方がどうしてもきつくなる。
「私のせい?」
「・・・・ううん、俺の気持ちが小さかったからだよ。ケイのせいじゃないんだ」
その後、何度も修復する機会はあった。
同窓会だってあったみたいだし、snsで知った飲み会の会場に偶然を装って行くことだってできた。
でも、それをしなかったのは、俺のくだらないプライドのせいだ。
いつまでたっても、素直に謝ることができない俺が悪いんだ。
「んで、ケイは?どうなのさ」