僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
そう痛感したのがひとつと、もう一つは、お葬式に参列してくれた上条晴秋の存在。
ハルは彼女が出来たらしく、二人揃って参列してくれて、うちの親に彼女を紹介していた。
会社にいた派遣の子らしく、大阪にいる彼女の両親にも挨拶済みなんだとか。
「俺が子供のころ、凄くお世話になったばあ様なんだ」
そう言っては隣の彼女と仲睦まじくお参りする姿を、遠目に見ていた。
その光景が近いはずなのに、とても遠くに感じる。
俺を好きでいてくれた「ハル」との別れだった。
すこし寂しい思いはあるけど、悲しくはない。
だって、俺がハルに望んだ未来だ。彼にはみんなから祝福される恋をして欲しかったから。
彼女はとても清楚な印象の可愛らしい子で、二つ下だと言っていた。
この子なら、ハルを幸せにしてくれる。
一目見ただけでそう確信できるくらい、とても可愛らしいお嬢さんだった。
だからさ、ケイも
運命を感じる人と出会えたんなら、それを逃しちゃいけないよ。
困難はあるだろうけど、頑張って欲しかった。
幸せになる方法を、自分たちで見つけて欲しかったんだ。
”別に、お前にフラれたからって、俺の人生になんの影響もねぇ”
前にハルに言われた言葉。
俺もそう思えるような強い心が欲しかった。