僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
ほんと、感謝しかない。
まだ前向きに歩けてはいないけど、幸いなことに精神状態はかつてのように暗い底の中には居ない。
でも、あと二週間
二週間で彼らはいなくなってしまう
あまり考えたくないな…。
「あ…シャンプー切れた?…買い置きあったっけ?」
俺は紫音たちに甘えっぱなしで、こんな事を気にしてたことは暫くの間なかった。
あのマンションで何もしていなかったんだって、こんな小さなことでも思い知る。
裸で出ていく勇気はないから蓋を取って容器をさかさまにし、なんとか落ちてくるのを待った
ガチャ…
「島くん?そういえばさ――シャンプーなかっ・・・・・え?———えええ?!!!」
「あ、ちょっと・・・」
「——————え?————ええ?」
恥ずかしくて浴槽ドアの後ろに隠れた。
そんなことしてもすりガラス越しに見えてると思うけどね。
・・・てか、詩安さん・・見すぎじゃない?
べつに隠してる訳じゃないけどさ…
「あの・・・あまり見られると、それなりに恥ずかしいんですが」
「あ!、、そそそそ//っっそうだよねっ!ご、ごめんっっ!これ!良かったら使って!」
慌てて置いていったボトル
蓋を開けたらとてもいい香りがした。
柑橘系の香りで泡立ちがしっとりしている。
普段、詩安さんが纏ってくる香りとはちょっと違うけど、さすがプロだね。
お風呂から上がると、詩安さんはテーブルを端にどかせて正座をしていた。