僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
このニュースは日本を飛び越え、海外のメディアにも問題視されて人権問題に発展し、事務所側の契約自体が差別だと世界中から非難を受けることになった。
これに触発されたように、大物たちが退所を表明したことも大きな問題になった。
かねてからの強引なやり方に、嫌気がさしていたとマスコミへ内部告発する社員も出だす始末となった。
今ではリョウは、勇気ある英雄と称され、ヒーローみたいに報道されている。
個人的に立ち上げた動画チャンネルの再生回数も一気に増えて、海外からのコメントも増えたそうだ。
このニュースが流れるときに使われる画像。
ケイとRYUが同じ指輪を左手薬指にしている手だけの写真が良く使われていた。
「良かったな、ケイ」
本当によかった。
恨み続けるのは、辛いから
こうやってケイに少しでも貢献できて本当によかった。
そうして、二人が勇気をだして一緒になることを決意してくれたのも嬉しかった。
「なあ、アップル。お前もそう思うだろ?」
俺の言っていることが分かるのか、ゴロゴロ言いながら体を擦り付けてきた。
「チュールのおねだりか?」
「ミィヤァ~オォ~」
そうだと言わんばかりのいい返事。
この子は本当に俺の言葉がわかるかも知れないな。
チュールをぺろぺろと舐めるアップル。
もうすぐこの子ともお別れなんだなって思えば寂しくなる。
また、俺だけここに一人取り残されながら生きていくんだな。
仕事を探して、働いて。
友達もいないし、おおきな楽しみもないまま…
ここで、一人。