僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
多分、俺の顔は赤いと思う。

目の前のこの人みたいに・・・


「一緒に行こう?———俺は君に出会う運命だったと思うんだ」

「傷つけて終わるだけかも知れませんよ?」


「それでもいいよ。そんなのを恐れてここに君を置いていくんなら、思いっきり傷ついてもいい」


その言葉は素直に嬉しかった。

でも、決心がつかなくて下を向いてしまう。


「お願いです―――君とアップルとの生活をここで終わらせたくないんだ」

「それは・・・俺も同じです。あなたとアップルとの生活にここで終止符を打ちたくありません」

「本当!?———めっちゃ嬉しいんですけど」


「———でも、それがあなたへの”恋情”なのかって聞かれると、返事に困りますけど」

「そんなのいいよ、”情”なんて一番どうでもいい。君が来てくれるだけで、俺は人生が一変するくらい嬉しんだから」

「フフフっ」

「なに?おかしかった?」


「そんなに褒めちぎっていいんですか?調子に乗っちゃいますよ?おれ」

「べつにいいよ、どんどん調子にのって?———じゃあさ、一緒に来てくれる?」


「————こんな僕で良ければ、こちらこそ宜しくお願いします」


会って一か月もしないのに、こんな決断するなんて馬鹿げてると思う。

ましてや紫音の実兄だし


でも

「ったー!アップル、良かったな!島くん一緒に来てくれるってよ!」

「ミヤ—!」

アップルを抱きかかえて嬉しそうにはしゃぐこの人の

綺麗な心にもっと触れていたいと思ったんだ。


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