僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「もう、いいの?早くない?」
「はい、あんまり長く居ても―――ね」
「俺挨拶しなくてよかったの?」
「———そこまで背負ってくれなくてもいいですよ」
「————ふーん、まっ、いっか。———じゃあ、行こう?」
小さいころ、よく歩いた道を詩安と一緒に歩いていく。
彼が手を伸ばし、俺の手に遠慮がちに触れてくるから、なんとなくそのまま握る。
「紫音には会ってきたんですか?」
「うん―――、君を連れてくっていったら、二人ともお願いしますって頭下げてた」
「そうですか―――」
「それとね、『こちらこそありがとうございました』って言ってたよ」
「——————~~~」
堪えてても夜だし暗いし・・・詩安の手は暖かいしで涙がこぼれてくる。
そんな俺に気づかないふりをしながら、ずっと手を繋いでくれた。