僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「うまっ、もうイタリア大好き」

幸せそうに食べるよね。

「島くんはどう?慣れた?」

「うん、過ごしやすい。———特に自分の中にある違和感を最近は感じないかな?」

「そっか――こっちはね、色んな人がいるから。日本みたいにきっかりと枠組みに入れて判断したりしないからさ、気が楽でしょ?」

「うん、それはもう。普通に同性カップルが街に溶け込んでキスしてるのも、ここの社会が自然に受け入れている証拠だよね」

「うん、コッチは社会に認識されてからの歴史が長いからね、日本みたいなことにはならないよ」

「おかげさまで、自分が何者かも分かったんだ。この答えにたどり着くまで、随分と遠回りしました」


「うん―――でも、俺はこうやって島くんと出会えてよかったよ。——傷ついてきたかもだけどさ」


「そうですね―――出会えたことには感謝です。———これまで、素の自分が出せなくて苦しかったですが…」


テーブル越しにつなぐ手は暖かくて

こうやって想い合う人をみつけられたことに幸せを感じていた。

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