僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
俺が悩んできた問題。
認識している性と恋愛対象の相違だった。
LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、両性愛(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の各単語の頭文字を組み合わせた表現で、その他にもまだ目覚めていないかどれにはまるか分からない人はクエスチョニング(Questioning)と呼ぶ場合もある。
だからLGBTQと表記されることもある。
俺の場合――女であることに違和感があるトランスジェンダーで、恋愛対象が分からないQuestioningだった
でも、今わかったんだ。
俺は、女性に癒しを求めることはあっても、抱くことに幸せを感じない。
そうしてあげなくちゃっていう焦りしかなかった。
だから、女の子を抱くことが出来ない”ゲイ”って事になる。
気持ちが男なんだから、女の子が好きなはずなんてのは、自分が勝手に決めつけた間違いだった。
実際、気持ちが女の子のケイとはそういうことは出来ても
本物の女の子の穂香には同じことが出来なかった。
穂香のことは好きだったけど、疑似的なものまで使ったり
違う方法でも性行為の手段はあったけど、性の対象として自分と交わりたいと思うことが出来なかったんだ。
女であることに違和感を持っていて気持ちは男
でも、恋愛対象は両性愛だけど、性の対象が男性
昔からモヤモヤしていた事実が、紫音と穂香との生活で少しクリアになってきて、詩安に恋をした今、それを確信した。
何だかややこしいけど、それが俺って言う人間。
これに気がついたのは、この国でいろんなカップルを見てきたからだ。
日本でジェンダーって言うと、男×男 とか、女×女って組み合わせしか思いつかないと思う。
すなわち、男に生まれたけど中身が女とか、女に生まれたけど中身は男とか。
でも、実際はもっと複雑なんだ。
女に生まれて男になりたいけど、手術までして男性になりたくない人はいっぱいいる。
俺みたいにね。
もちろん、逆バージョンもあるし、そういった自覚があっても上手くプライベートと仕事を区別して社会に適合できる人もいる。
人の心は複雑で、LGBTといっても綺麗にその枠にはまる人なんて居やしないんだ。