僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
それとは別に運ばれてくるのは、クリームたっぷりのマリトッツィ
なぜかみんながそれを俺にってウエイターさんに合図していた。
「ぐ、Grazie」(ありがとう)
なんか俺だけ悪いな・・・でも、これめっちゃすき。
日本のシュークリームみたいにくどくなくて、さっぱりとしたポイップなんだ。
みんなにケーキがいきわたり、詩安がフォークでグラスを慣らして立ち上がった。
「—————…ーーーーーーーー」
うん、やっぱ何言ってるかわかんないや。
でも、みんな俺のことを見ながらニコニコしているから、俺も何だか嬉しくなってニコニコと返していた。
「島くん」
「うん?」
「帰って来てくれてありがとう。すごく嬉しかったよ」
そう言ってほっぺにキスしてくるから、くすぐったくて照れ隠しに微笑んだら、みんな手を叩きながら笑っていた。
「ユウは素直で可愛いわ」
マールさんが、俺に分かるように英語でそう言って俺の頭を撫でた。
再度、詩安が乾杯するとみんなもグラスを上げて乾杯した。
みんながケーキを食べだすから、俺もマリトッツィにフォークを入れる。
少しだけ掬って口に運べば、程よい甘さが口の中に広がる。
ああ、やっぱり。さっぱりとしてて美味しい。
「島くん美味しい?」
「うん、すっごく」
スプーンを入れるたび、なぜか周りが見ている気がした。
ウエイターさんもなぜか神妙な面持ちで、俺の斜め後ろから離れない