僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「??」
不思議に思ってたら、スプーンにカツンと何か固いものが当たる。
「え、なに?」
スプーンでその堅い物の正体を探っていたら、そこには指輪が入っていた。
「felicitazioni!!!」
その瞬間、テーブルどころか、店中の人から「おめでとう」の声がかかった。
「ハァ、^^~~~~~~~~~」
ウエイターさんがどこか安心した面持ちで、その指輪をナプキンで拭いてくれた。
みんな嬉しそうに手を叩きながら喜んで、詩安の肩を叩いたり、俺の背中を撫でたりしてくれた。
「ここら辺の人達はね、3月の第一金曜日に、こうやってドルチェの中にプレゼントを隠して、将来への伴侶へ愛を誓うんだよ」
そうなんだ・・・・。
だから、この日までに帰って来てねって言ってたんだね。
なんか・・・すごく嬉しい。
お酒呑んじゃんたし、長期フライトから帰ったばかりだし、みんなが凄く優しいし…
だから気が緩んで涙が出てきた。
詩安が綺麗になった指輪を受け取り、俺に向き合う。
「———島くん、俺はもう君以外、考えられないんだ。――――俺と結婚してくれる?」
「————うん!おれも詩安以外なんて考えられないよ。本当に大好き、この指輪、ありがとう」
それを聞いて俺の左手薬指に飾りのないシンプルな指輪をはめてくれた。
シンプルだけど、控えめに入っている模様がカッコいい
「ありがとう」
「———愛してる」
「うん、俺も愛してるよ」
それを皮切に熱いキスを交わす俺たち。
そんな俺たちに店中の人が立ち上がって、大きな拍手で祝福してくれた。