僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
俺たちの電撃婚約から六年
日本に帰って来て、詩安の要望通り北海道東部の港町に越してきた。
あれからトントン拍子に話が進み、一年後にはお互いの親族をイタリアに呼んで教会で式を挙げた。
教会ではお揃いのタキシードをきて、披露宴ではお揃いの白い袴を着ると地元の人達は喜んで、カメラやスマホを構えて並び撮影大会になるほどだった。
お世話になった人達にもお礼や感謝を伝え、僕たちはそれから海外を転々とした。
「チョコの本場に行きたい」
詩安が突拍子なく言えば、どこかの要人みたいな人が来て、俺たちのすべてに関する手続きを施してくれる。
「こんどは料理がおいしいナポリに住みたい」
その都度、また”レイカ”さんと名乗る女の人がきて、手続きや書類を用意してくれてその人に言われるがまま新天地へと赴く。
詩安って一体何者?
実はどこかの国の王子様なのかもと一時期おもったこともあったけど、お義父さんは海洋研究をしている人で、お義母さんはインテリアやガーデニング関係の仕事で、まあ、割と普通の一般家庭の子だったから、いまだに真相は謎のまま。