僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
S・Sストーリー
俺があの子を選んだ訳
「しあんくん、あっちであそぼ」
「うん、いいよ」
幼稚園時代、俺の周りには女の子が絶えなかった。
「しあんくん、ゆっことあそぼ?」
「いまりえちゃんとあそんでる。明日じゃダメ?」
それゆえ、女の子同士の喧嘩が絶えなくて、みんなと一緒に遊ぶことが出来なかった。
目の前で喧嘩が始まらないようにって考えて、一人とだけ遊んでいたんだけど、それをよく思わないのは、その子らを好きな男たち。
「こいつまた違う女と遊んでる~!」
「あっはっはっはっは!きっも~」
「おチンチンついてねーんじゃねーの?」
「女ったらし~」
いつもこんな言葉を浴びせられていた。
「ゆっこちゃん、あそぼ?」
「やだ!話しかけないで!」
「え?どうして?」
「みんなにいじめられちゃうもん。わたし、しあんくん大嫌い!」
幼いころの記憶。
俺が女を嫌いになった理由でもある。
小学生になっても、中学、高校と進学していってもそれは変わることがなかった。
初めはみんなにちやほやされるんだけど、それを面白く思わないやつらの標的になる。
大学でもそんなことにもなるんじゃないかって思った俺は、どうせなら進学せずに働こうと思った。
ついでに、俺の心のふるさとへ。
北海道東部の港町に行くことを決めたんだ。