僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
紫音先輩
ケイと別れてから、それまでの友達たちと疎遠になった。
凄くいいやつらだったのに、俺はフラれた苛つきを抑えられなくて、あいつらのせいにしちゃったんだ。
そして、俺の周りには、誰も寄り付かなくなった。
FBとかで、あいつらの事を知ることは出来る。
卒業してからの2年で、呑みに行ったり遊んでる様子を誰かが必ずあげてるんだ。
その、どの集まりも、俺に声がかかることは一度もなかった。
そうやって、ひっそりと見るだけ。コメントもしないし、いいねも付けない。
ただ、俺抜きでも楽しんでいる同級生たちを見るだけ。
心に穴があくって分かってても、彼らの楽しそうな投稿を覗くことは辞められなかった。
俺がクラブに着くと、先輩がいつもの席を陣取っていた。
フロアが見渡せる階段の中腹。
いつもそこに腰かけて、色々な人間模様を観察している。
「遅ぇぞ、ユウ。遅刻」
「遅刻って、何時集合か教えてくださいよ」
「俺が起きたてから2時間後だよ」
「そんなの、知りませんから」
無茶苦茶だ。理不尽な先輩に呆れる。