僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
穂香に打ち明けられない事
孤独と戦いながらも、自分が幸せになれる未来を何とか夢見ていたかった。
そんな日々の中だった。
再びあの女の子に再会したのは。
一目であの時、ごみを拾ってくれてた子だって気がついた。
あれから、彼女は色んな場所で見かけるようになったんだ。
「あの時はごみを拾ってくれてありがとうね」
「いいえ!こちらこそかえって仕事増やしちゃって、ごめんなさい」
謙虚で可愛らしい子。
それから会うたびに、一言二言話すようになったんだ。
バイト先で見かけることが多いから、よっぽどイベント好きなんだなって思ってた。
その日は商店街の食フェスの日だった。
その日も彼女は友達と一緒に来場していたんだ。遠くからでも彼女だって分かった。
だって、どうしてか分からないけど、自分の目にレーダーがあるようにすぐにわかってしまうんだ。
「ゆうしさん」
「やあ、穂香ちゃん。また来たんだね?」
「はあい、とーっても美味しそうな匂いがしたので」
「でた。本当に食いしん坊なんだから」
「違いますよ~!栄養士を目指す者としての勉強会ですから、遊びじゃありません!」
「そう?じゃあ―…あ、あそこのホルモン焼きうどん、旨かったよ。食べた?」
「えー!なんて美味しそうな組み合わせなの!教えてくれてありがとうございます!」
「アハハ!本当に勉強会なのそれ?よだれ垂らしてるじゃない」
「もー!垂らしてませんからぁ」
膨れ顔でポカリと俺の腕を軽く叩いてくる。
めっちゃカワイイ。