僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「ほら、ハル。遠慮なく食えよ」

「そうそう、きっと来ると思ったから、いーっぱい買ってきたからね!」

「はい、ありがと、パパママ」


いつも通りの、ハルの優等生顔。


「祐子もくえよ、ぼーっとしてたら俺とパパで食っちゃうからな」

だから、ここはあんたの家かって。
それに、パパとかママとか、ばっちゃまとか…

俺よりも親密そうで家族っぽいんですけど…


うちの親は見ての通りハルに甘い。
こんな光景も見慣れたもの。

そうして同時に、寂しい思いをさせてしまった、俺の両親に寄り添ってくれたことがわかる。
だって、俺よりここの子っぽいじゃない。





「ちゃんと話せたのか?」

二階の部屋に上がる俺の後ろから、当たり前のようについてきたハル。


「うん、とりあえずね」
「そうか」

ハルはハルなりに、気を使ってくれたんだ。

二年も帰らない理由が何かあると。

でも、そのことを聞いてこないのがありがたかった。



「本、いつ返せばいい?」
「いいよ、ここに置いとけ、読みたくなったらここに来るから」

「主が居ない部屋に入り浸るのかよ」

「そんなことあるわけないだろ?ママに持って来てもらうんだよ」

「そっか」

「なに?見られたら困るものでもあんの?」

「べつに、ないよ」

「ふーん・・・」

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