僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
episode、4 交差する想い
おかしなふたり
「祐くん、これ美味しいよ?半分食べる?」
「う、うん。ありがとう」
「あ、ユウの美味そう、少しちょうだい?」
「はい、どうぞ………」
俺のプレートには、穂香からもらったツナクリームパスタと、紫音先輩に半分以上とられてしまったカタラーナ。
んーっと・・・。
「ほの、それじゃ足りないだろ?おれのフレンチトースト半分あげる」
「ありがとう、祐くん!うぁ!凄いね中にチーズが入ってる!美味しそ~」
嬉しそうな顔を見てると、気持ちふわふわするな――…
って思ってたら、紫音先輩の冷たい視線に気づいて顔を戻す。
ごめんなさい・・・。
でもさ・・・そもそもこの状況は……なに?
なんで二人は、俺をはさむように座ってんの?
ここって、カウンター席ではなくて、向かい合う四人用テーブルだよ?
俺とほのが並んで座って、紫音先輩はなんで椅子を持ち出して側面にくるの?
そこ、通路じゃん。
隣のテーブルの人は視線は感じるけど、直接苦情を言ってくることはなかった。
ふつう、穂香と紫音先輩が向かい合ったり、隣り合ったりするよな?
う――ん?
何度考えても変だし、何がしたいのか、何が起こってるのかもわかんない。
喧嘩でもしたのかな?
それで当てつけのように、俺を使ってヤキモチさせよう作戦?
――――………勘弁して
「祐くん、パスタ美味しい?」
「うん、旨いよ。ありがとうね」
俺の返事を聞いて嬉しそうにしている。
最近おれのことを「ユウシ君」ではなく、「祐くん」って呼ぶようになった。
その変化の意味は、いまいちわからないけど・・・