僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
その後も、俺を真ん中にしたままのデートが続く。
穂香に手を引かれ雑貨屋を散策してれば、しびれを切らすように紫音先輩がホラー映画見に行くべって肩を組んで拉致される。
どんなシーンでも動じない先輩は、キャラメルポップコーンを食べ続け、怖がりな穂香は俺にしがみついては小さく悲鳴を上げていた。
いや・・・だいぶ、かわいすぎる・・・
……これめっちゃいいかも
緩む口元を、一生懸命おさえてるけど、俺の腕にしがみついている彼女を見ながら先輩は舌打ちをしていた。
スミマセン、先輩。
でも、しょうがないよね?
はやく仲直りしたらいいのに・・・
映画が終わって腕時計を見たらもう22時過ぎていた。
二人は何かを話してるから、物販を見るふりして距離をとった。
仲直り、できたのかな?
それじゃあ、お役御免だし帰ろうかなんて考えていたとき、あしたは一限目から授業があることを思い出した。
「俺はここで帰りますね。先輩お先です、ほの?またね」
挨拶も済ませて外に出た。
そのまま高架歩道を歩いて駅に行こうとした時、パタパタと足音が聞こえ、振り返ればほので…。
あろうことか俺に駆け寄っては服を掴んできた。
「どうしたの?紫音先輩は?」
彼女は黙って首を振る。
「どうしたの?黙ってちゃわからないよ」
息を切らしながら、今にも泣きそうな顔をした穂香は、俺の服をぎゅって握るだけで何も話すことはなかった。
何となく頭を撫でようとして手をあげたけど、思いとどまっておろした。
こんなところ、先輩に見られちゃ悪いや。
物販で何かを話してたから大丈夫だと思ったけど、喧嘩続行中だったか…。