僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「おっ、鍋がふいてきたな」
「小さくしますね」
二人の会話は業務的で続くことはない。
やっぱり、変な感じ・・・
「まあ、後で話すけど、とりあえず食うべ、ユウ、好きだったよな?牡蠣」
「はい。———じゃあ、遠慮なく、いただきます」
「祐くん、小鉢貸して?よそってあげる。嫌いなものないよね?」
「うん、ないよ。ありがとうね」
「ユウは何つけて食う?ポン酢でいいか?あ、殻つきもフライパンで焼くか」
なんだ、この変な感じ。
いそいそと動く二人に対して、何もしないで食べてろって言われる俺。
表情がない二人は、俺にだけ感情があるようにニコッと話しかけてくる。
なんか、いたたまれない。
「あのっ!俺自分で出来ますから、二人も食べて下さい――…って、俺が買ったわけじゃないっすけど」
あ、だめだ
なんか、空回りしてるのが自分でもわかるくらいに重い空気だ。
この一か月
悶々と考えたいくつかの可能性を分析してたけど、その中に「まさかな」って思う考えがあった。
でも、この状況を見たら、うぬぼれじゃなくて、現実なのかもって思えてくる。