僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「すみません、すぐリハは入れますか?」
「あ、いやーちょっと、…少し時間かかるかもですね」
「あとはトップの子たちのリハと、トリだけなんですけど」
「あ~~~っっ、すいません!じゃあ、最後で、お願いします!」
「分かりました…」
「島ぁ、なんつったんだ、あのニコニコ野郎は」
「先に高校生のリハしてくださいって」
「はぁ?!!っっんだよ、なに考えてんだか!」
「まったくっすよね」
剛力さんと二人で、愚痴を言っていた。
もちろん、本人たちはとっくに楽屋に行ってしまって、ここに居ないから言えるんだけど。
それにしても面倒なことになったぞ。
PA担当の剛力さんが怒るのも無理はないんだ。
高校生のバンドのリハを先にすれば次はトリのセッティング&演出確認をして、サウンドチェックもするってとになる。
そのあと、開演までの短い間にまた高校生バンドのセッティングに直さなければならない。
凄く面倒だし、はっきりいって時間の無駄。
そのままリハしてくれたらいいのに。
「ごめんな、先にチェックできるかい?」
「はい!お願いします」
全然、嫌な顔見せずにステージに上がっていった。
…そうだよね、憧れのバンドだもんな。そんな事を気にするわけないか。
てきぱきと用意はしていくけど、使い慣れないアンプに戸惑ってる様子も見えた。
値段が張るものばかりだし、時代も古いから戸惑うかも知れない。
理想の音が出せるように、俺たちも手助けをする。
これは、慣れていないだろうから、本番前にもう一度、エフェクターの配線やアンプのつまみ調節を確認するために、少し音出し確認もしてあげなきゃいけないだろうな。
無駄な時間だよね。この子たちも可哀そうだ