僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
episode、7 普遍的な情事
”今夜は手を出さない。ほのちゃんが待ってるからね。これから3人で俺のマンションで住もう。毎日一緒に同じ屋根の下で暮らすんだよ”
一緒に暮らすって事は、すなわちそう言うことで…
紫音に遠回しに確認したら、「うん、そういうこと。セックスもアリだよ」ってケロッと返事が返ってきた。
だけど、その状況についてけなくて、昨日から頭が混乱してる。
「ほのはそのことに賛同しているんですか?」
「うん、もちろん。寧ろ彼女の案だから。」
「ほのが?」
意外だった。
またよからぬことを、彼女に仄めかしたんだろうって思っていたから。
「そう、そういう事も試さないままフラれるのはヤダって。あと、”私を勝手に清純の「型」にはめて欲しくない”とも言ってたな。」
”中途半端な優しさも要らない”とも言っていたらしい。
だからって、無茶してるんじゃないか?
以外に芯のある子だとは思ってるけど、こんなところで発揮しなくともいいのに…
「あと最近さぁ、避けられてる気がするんだけど。もしかしてまた勘違いとかしたんじゃねーよな?」
二人で出かけてるのを見たんだ。
あのライブの日に。
そりゃ、そう思っちゃうだろ
普段から、自分は邪魔なんじゃないかって、自覚していたんだし。
まさか、遠く離れた北海道にいる幼馴染が、ライブしに来てたからほのを誘ったとか、知るわけないし。
「いや、忙しかったからだよ」
「‥ふーん?嘘っぽいけど、まあ、ユウがそう言うなら、そういうことにしとくか」
***
その日の夜、招待された紫音の家にはほのがもう住んでいた。
「ここは3つ部屋があるんだ。それぞれ個室はある。プライベートな時間は必要だろうし。ほら、ここがユウの部屋だよ」
その部屋は10畳くらいの大きな空間で、大きなベッドが一つと二人掛けのソファだけがあった。
「ここで、誰と寝るかを決めるのは”ユウ”だから。二人っきりでもいいし、3人同時でもいい。おれも、ほのちゃんも、それなりの覚悟はもう決まってるよ」
穂香の方を見れば、紫音の言葉を肯定するように頷く。