客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

 そんな中、美玲がおずおずと口を開く。

「離婚の理由はなんだったの?」
「課長が言うには、すれ違いだったって。奥さんも仕事をしていて、課長も帰りが遅くて。家にいても会話がほとんどなくなってたみたい」
「よく聞く話だけど……なんか悲しいね。一緒にいたいから結婚したのに、一緒にいても意味がなくなるなんて……」
「仕事して、家のことをして、二足の草鞋(わらじ)だもんね。体は一つしかないのに、倍の動きをしないといけないしね。独り身の身軽さを実感してるから、大変だろうなぁとは思う」
「でも京子って彼氏いない歴=(イコール)年齢だったよね。いきなりバツイチ男性ってありなの?」

 二葉の言葉に、京子は笑い出す。

「そうなんだよね。でもうちの親も離婚してるし、あまり抵抗はないかも。離婚理由が不倫とかDVではないみたいだし、今は三組に一組が離婚するって言われてる時代だからね。そういう確立も高くなるのかなって思ってる」
「……ちょっと待ってよ。そんなこと言ったら、この中の誰かが離婚の可能性があるってこと⁈ もう少し夢のある話が聞きたいわ〜」

 彩花がテーブルに突っ伏す。しかしすぐに気を取り直し、ラッシーに手を伸ばし飲み始めた。
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