客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

「さっきの二葉の言ったこと、私自身はちょっと気にしててさ、男の人ってどう思うのかなって。だからこの間ネットで、彼氏いない歴が年齢の人っていう記事を見たの」
「なんだ、京子ちゃんだってネット情報見てるじゃない」
「うっ……だって気になるから。そしたら、なんか納得のいかない内容ばかり」
「なんて書いてあったの?」
「彼氏いない歴=(イコール)年齢の人は、外見を気にしない、同性とばかり出かける、本物を求める、相手に頼りすぎ、彼氏いらないアピール。社会人だし外見は気にしてるし、男友達がいないから同性と出かけるしかないのに、なんか私ってどう見られているのって不安になるよね」
「……確かに。普通に出会いがないだけじゃない。本物って……誰でもいいわけじゃないじゃん。一緒にいて楽しいって思える人を探したいだけなのに、決めつけられるのって嫌だよね」

 京子もマンゴーラッシーに口をつけ、またため息をついた。

「私に告白されたら、課長きっと困るよねぇ。仕事もやりにくくなって……言わない方がいいのかなぁ……。しかも彼氏がいたことのない恋愛初心者。ハードルが高過ぎる……私にはどうにも出来ない……」
「それにしては知識豊富だよね」
「だって、ドラマ、小説、漫画、映画、ネット情報が溢れてる」
「あと足りないのは実体験か。上手くいくといいけどね」
「うん、みんな祈ってて」
「祈るだけじゃ上手くいかないけどね」

 美玲が言うと、京子はがっくりと肩を落とした。
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