客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
二葉の決意
 この間の女子会の後から、二葉はずっと考えていたことがあった。いや、実際は真梨子と対峙したあの日から、心の中で(くすぶ)っていたのだ。

 それが正しいことなのかはわからなかったが、そうするべきというより、二葉自身がそうしたかった。

 匠に『先生のことで話がある』とメッセージを送ると、以前購入したデリでテイクアウトを購入すると、彼のマンションの前で帰りを待った。

 二葉が到着してからニ十分ほどしてから、匠が慌てて走ってくる姿が見えた。

「ご、ごめん。待った?」
「走らなくていいのに。私も着いたばかりだし」

 二人は匠の部屋に入ると、食事の準備を始める。"先生"という単語には一切触れず、いつも通りの会話をする。
< 104 / 192 >

この作品をシェア

pagetop