客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
アイスコーヒーに口をつけると、様々な緊張が押し寄せる。真梨子ときちんと向き合って話が出来るのか、このことを匠がどう感じるのか。でも何もしないという選択肢は、二葉の中には存在しなかった。
そんなことを考えていたからか、向かい側のソファに突然真梨子が座り、二葉は驚いて体を震わせる。
恐る恐る真梨子を見ると、無表情のまま二葉を見つめていた。
「来てあげたわ」
「あ、ありがとうございます……」
「ねぇ、ここに来ること、匠は知ってるの?」
「はい、一応伝えました」
「そう……じゃあお店を変えましょう」
「えっ……」
「匠には会いたくないの。でもあなたを心配してくる可能性があるでしょ?」
「……わかりました」
すると真梨子はエレベーターに向かい、同じホテル内の最上階にあるバーに移動した。