客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

曖昧論

京子の答え

　いつものイタリアンのお店で、サラダ、パスタ、ピザと一通り注文していく。グラスワインが運ばれてくると、ようやくおしゃべりが始まった。

「なんかこのお店も久しぶりだよね〜。最近はみんな仕事が忙しそうだから誘えなかったよ」

　彩花が口を尖らせる。

「本当にごめんね〜。で、この会えない間に何か進展とかはあった？」

　美玲が聞くと、彩花は更に不機嫌になる。

「あったけど、なかったから、愚痴りたかったのよ〜！　っていうか聞いてくれる？　この間ね、同じ受付の並川さんが合コンに誘ってくれたから行ったんだけどさ、ハイスペック過ぎてついていけなくて、何事もなく帰宅よ〜」
「なるほど。合コンはあったけど、出会いはなかったと」
「でも合コンって基本そんなものじゃないの？　会って喋って食べて飲んで終了」
「……まぁ私は特にね。何しに行ったかわからないことばかりかも……」

　肩を落とし、ため息をついたかと思うと、グラスワインを一気に飲み干す。