客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
いくらでも続いていく匠の執拗なまでの愛撫が、いつの間にか心地良くなって来ている。
「匠さん……」
「ん?」
「お願いだからやめないで……匠さんにもっとめちゃくちゃにしてほしい……」
「二葉ってば……どれだけエッチなんだよ……」
「匠さんが上手すぎるのよ……彼氏の時は痛くて早く終わってって思ったのに、匠さんの時はもっとって欲張っちゃう……」
匠は二葉を見下ろしながら、そっと髪を撫でる。その優しい手の感触に、二葉はうっとりと目を閉じた。
「俺たち、相性がいいのかもしれないね。まだ出会ったばかりだけど、なんとなくそう思う」
「それならきっと仏様が導いてくれたのかもしれないよ。あんな絶妙なタイミングの出会いなんて、普通は起きないもの」
「それは壮大な出会いだなぁ。でも確かに、四萬部寺の八体佛は縁結びで有名みたいだしね」
「そうなの? 知らなかった」
「……エッチの最中にする話題じゃないかもだけど」
「そうかな……私はもっと聞きたいけどな」
「二葉って不思議な子だね」
「……別に普通だと思うけど」
匠は二葉の足を開かせると、そこへ顔を埋める。ねっとりと匠の舌が動き、たったそれだけで二葉の体は絶頂を迎える。
「やっぱり匠さんって遊び人なのね……」
「なんで? ただエッチな知識が多いだけの童貞くんかもしれないよ?」
すると二葉が吹き出し、大きな声で笑い出す。
「信じてないね?」
「信じないよ。こんなに気持ち良いセックス、初めてだもん。ねぇお願い、もう一回したい……」
「二葉は欲張りだなぁ」
匠が嬉しそうに微笑む。今日一日一緒にいて、一番の笑顔だったんじゃないかしら。
彼の悲しみは一体なんなのだろう。野暮だから聞かないけど、そんな彼を癒してあげたいって思ったの。