客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

 すると(せき)を切ったように真梨子の口から、言葉が溢れ出す。

「休みの日になれば、あなたは趣味のゴルフに行ってしまう。家にいれば『くだらない』と言ってニュース番組以外は消してしまう。本を読み始めれば私はいないようなもの。私が具合が悪くても、心配するのは口だけ。帰って来る頃にはもう忘れてるわよね? じゃあ私は一体何なの? 一緒にいたっていないのと同じじゃない? それって一緒にいる意味があるの? 私はこれからも満たされない想いをずっと抱えて生きていかなきゃいけないの? そんなのもう耐えられない……!」

 最後まで言い終わらないうちに、真梨子はカバンを持つと晃を押し退け、バーの入口に走り出す。

「真梨子⁈」

 その後を慌てて追いかけようとした晃だったが、二葉に腕を掴まれ阻まれる。

「離せ! 真梨子を追いかけないと……!」

 二葉の手を振り払おうとするが、彼女の力が強くて敵わない。

「……行かせません」

 今行かれたら真梨子さんに追いついてしまう。そんなことはさせない。ここは私が引き止める。二葉は強く思う。

 だって真梨子さんは私を友達と言ってくれた。大事な話も打ち明けてくれた。私だって友達のために出来ることをしたい。

 二葉は晃をキッと睨みつけた。
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