客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
 二葉は隣に座っている匠を見る。

「先生、何だって?」
「離婚するって……」
「まぁそれが一番ベストな答えなのかもしれないね」

 真梨子の離婚のことを聞いても、表情を一切変えない匠に対して二葉は安堵する。彼と関係があった人の離婚だし、全く気にならないわけではなかった。

 匠さんの気持ちが少しでも動いたら……そう思うと少し不安もあった。しかしその不安を掻き消すように、匠の手がブラウスの裾から入り込み、もう片方の手で腰を引き寄せる。

 距離がグッと近付き、匠の息遣いを肌に感じると、二葉はドキドキが止まらなくなる。

「あと……結婚前にちゃんと匠さんと話し合いなさいって忠告されちゃった……」
「ふーん……」

 匠は二葉をじっと見つめると、そのままベッドに押し倒す。

「じゃあ……これからゆっくり話し合おうか……?」
「えっ……それって……」

 匠はニヤッと笑うと、戸惑う二葉の服に手をかけた。
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