客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
偶然の二人
 匠さんと過ごした三日間。あれから六年が経過しても、未だに思い出が色褪せることはない。

 そう。色褪せないから困ってる。むしろ少し脚色されているのではと思うくらい、彼を超える人に出会えていないのが現状だった。

 慎吾と別れてから、次に出会った人はただの女好き。付き合っていると思っていたら、二股の二番目だった。

 その後に合コンで知り合った人には、ホテルまで行ったのに『そんなつもりはなかった』発言。

 その次に街コンで会った人は、優しいんだけど、趣味が合わなかった。

 終いには社内の妻子持ちにしつこく言い寄られただけなのに、不倫していると噂を立てられ辞職に追い込まれた。

 だから思ったの。今は恋愛の時期じゃないんだって。今恋をしようとしても、きっとだめんずに引っ掛かるだけ。

 それなら私は仕事に力を入れよう。まずは自分を磨いてから、恋をしたっていいじゃない。
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