客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

「気になってた人じゃない人に告白された」
「……話が見えないんだけど。気になってた人は、この間の合コンの人?」

 彩花は頷く。連絡先を交換したと嬉しそうに話していた。

「で、じゃない人って?」
「大学の時の友達。今でも仲が良かったメンバーで出かけたりするんだけど、そのなかの一人なの。物静かで、気配りの出来るタイプ。でもちょっと物足りない感じ」
「どんなタイミングで告白されたの?」
「みんなで出かけた後に家まで車で送ってくれて、その時に言われた」
「気になってる人は?」
「連絡しても既読スルー」
「その時点でないわ」
「うん、それはわかってる。彼氏は欲しいけど、その人が無理だから付き合うっていうのもおかしいでしょ? だからみんなに聞きたいの。恋愛感情がグレーゾーンでも付き合う?」

 三人は顔を見合わせると、それぞれ頭を悩ませ始めた。
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