客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
「木之下さんって、仕事の時とか結構はっきり言うタイプだと思うの。その木之下さんが、何も言わずに誘い続けたんでしょ? これは私の勝手な憶測だけど、毎回『今日こそ言おう』とは思ってたんじゃないかなぁ。でも言う前に美玲としちゃって、こんなんじゃなかった〜とか思ってそう」
「確かに! でもそれくらい美玲ちゃんを独占したかったのかもしれないね。お前は俺だけのものだーって」
「それってすごい狩猟本能じゃない?」
「だとしたら隠れ肉食系?」
四人は笑い合う。
「恋人になってからは、ピロートークはしてくれるようになった?」
美玲は嬉しそうに頷く。
「びっくりするくらい。その時はやっぱり気持ちをはっきり伝えて良かったなって思うんだよね。ズルズルしてたらこんな関係になれなかったもの」
「じゃあ結果的に良かったってことでしょ? 確かに告白をされた方が自信を持って付き合えるかもしれない。した側だと不安は残るよね。でもそれって付き合うきっかけにすぎなくて、一緒にいる時間の中でお互いに愛しあっていければ解消されるんじゃない?」
「相手をメロメロにして、関係が逆転! なんてこともあるかもしれないし」
「うん……そうだね、頑張ってみる」
三人が励ますと、美玲は大きく頷いた。