客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

 匠はスマホをテーブルに置くと、二葉の顔を見つめる。わかっていたことだが、悲しそうな顔をしている。そうさせたのが自分だとわかるから何も言い訳は出来なかった。

「本当に先生とはあれっきりなんだ。信じて欲しい」
「嘘じゃない?」
「嘘なんかつかないよ」
「……わかった。これからは隠し事はしないで」
「もちろん」
「私は匠さんを信頼してる。それを裏切らないで。次に同じことをしたら、匠さんといえど、だめんずに認定しますからね」
「……それは困ります」

 二葉は匠にキスをする。たぶん動揺してるのは私よりも匠さん。それならその想いを払拭してあげたい。

 味わうように舌を絡め、匠の服を脱がせ始める。そして彼の耳元に唇を近付けるとこう言った。

「今夜は私が、忘れられない極上の夜にしてあげるんだから」

 それを聞いた匠は恥ずかしそうに顔を赤く染め、笑い出す。

「それって俺が言ったセリフじゃん。よく覚えてたね。っていうか恥ずかしい……」

 両手で顔を押さえた匠の胸に、二葉が額をすり寄せる。

「忘れないよ……だって本当に最高の夜だったもん……」
「二葉ってば……反則……」

 貪る様にキスをして、二葉の脚をひらかせ自分の上に座らせる。息を切らし、艶のある表情を浮かべる二葉に、匠の我慢も限界を迎える。

「二葉……もっと顔を見せて……」

 もう君だけいれば、それだけでいい。
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