客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜

 匠は二葉を自分の方に向かせると、そっとキスをする。

「俺を信じてくれてありがとう。二葉のこと、心から愛してるよ……。今なら自信を持って言える」

 そして微笑みながら、額にキスをした。匠の愛情を感じ、二葉の心がようやく緊張から解けていく。

「……本当のことを言うとね、今もちょっと動揺してるの。怖かった……」
「うん……そうだよね……」
「あの人が怖かったというより、あの人の言うことが事実だったらどうしようって不安だった。だって私はこんなに匠さんが好きなのに、もしいきなり私はいらないって言われたらどうしようって怖くなったの……」
「そんなこと、絶対にないから……!」

 匠の腕に抱かれながら、二葉は止まらなくなった涙を隠すために両手で顔を覆った。
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